2020/03/05

2020年3月 鈴木啓太(京都大学フィールド科学教育研究センター 助教)

1980年に東京郊外に生まれました。公園の池でハゼやザリガニを捕まえ、近所の林でカブトムシやクワガタを追いかけ、身近な生き物に親しみながら育ちました。当時から生き物博士になりたいと考えていましたので、京都大学に進み、海洋生態学を学んだのは、自然な流れであったように思います。一方、子供の頃から強いことに憧れ、相撲、柔道、ラグビーなどに熱中してきました。今回、研究者としての私につながる原体験を記述することも考えましたが、敢えて、人間としての私をつくった競技経験を紹介させていただこうと思います。

わんぱく相撲という小学生の相撲大会があり、地区予選上位者は国技館で開催される東京都大会に出場できました。当初、私は我武者羅に相撲をとり、地区予選を突破し、東京都大会で白星を挙げるなど、好成績を収めていました。ところが、最後の大会にあたり、子供ながらに取り口を研究し、相手に応じて相撲をとった結果、地区予選で敗退してしまいます。これ以来、策に頼ることをやめ、地力をつけることに専念するようになりました。

高校では柔道部に入部しました。実は、小学校と中学校ではラグビー部に所属し、いずれも主将を任されていたのですが、瞬発力に乏しい自分に劣等感があり、ラグビーを楽しめなくなっていたのです。柔道を始めて最も驚いたのは技の合理性と多様性でした。柔よく剛を制すの言葉に象徴されるように、柔道では力よりも技を極めることが重視されます。自分の体格や運動能力を活かした技を磨くことを通し、個性を伸ばすことの価値に気づきました。

大学では再びラグビーに取り組みました。高校全国大会出場者4人をはじめとする優秀な同期生たちと切磋琢磨することに魅力を感じたからです。下級生のうちは、指示を理解することに精一杯でしたが、上級生になると、自分の役割を考えるようになりました。私はチームの勝利のため、タックルとサポートに徹しました。一時は攻撃重視の選手起用によりレギュラー落ちの憂き目にも合いましたが、最後は部内の年間MVPに選出されました。

私は競技経験から多くのことを学びました。教育研究活動においても、現状に満足せず、可能性を探り、限界に挑んでゆきたいと考えています。

中学ラグビー:試合に勝っても楽しめなかった(筆者は写真中央)
高校柔道:得意の内股を武器に好成績を収めた(筆者は左から3人目)
大学ラグビー:大学最後の東大戦に快勝した(筆者は最前列の左から2人目)