高大連携事業に力を入れている本ユニットでは、「2030年の私と森里海連環」をテーマに「京大 森里海ラボ by ONLINE 2021」を実施しました。
森里海ラボは、森里海連環学教育研究ユニット主催、フィールド科学教育研究センター及び野生動物研究センター共催、地球環境学堂、学術情報メディアセンター、生態学研究センター、こころの未来研究センター協力のもと行いました。全国から12校の高校生が参加しました。
本ワークショップは、SDGs目標年である2030年における高校生自身・地域・社会について、その未来や理想像を考え、その理想像を実現するためにはどうすればいいのか、今何をすべきかを議論することを目的としています。
まず、徳地直子森里海連環学教育研究ユニット長の開会挨拶で始まり、続いて「この10年間における地域の変化」をテーマに各高校で調べた内容について発表動画を流しました。各地域の特徴や意外と似ている点もわかり、いろいろと考えさせられる動画発表でした。
次に、高校生にとって少し先輩である本学大学院生から次のように、高校生時代に考えていたこと、進路をどのように決めたのか、今後どのような方向に進むのかといったことを話題提供として発表しました。
1.「ふるさとの『むかし』と『いま』と『これから』を繋げる懸け橋になるために」
地球環境学舎修士2回生 山田誠二
2.「『電電』に入って感じた難しさと面白さ」 工学研究科修士1回生 高橋克弥
3.「大学院進学に至った経緯と、これからのビジョン」 理学研究科修正1回生 小茂尻真凜
高校生にとっては進路の決定などとても参考になったようです。
続いて、霊長類研究所/野生動物研究センターの徳山奈帆子助教より「ヒトとボノボが共に生きるアフリカの森で考えたこと」、京都府海洋センターの篠原義昭主任より「守りながら獲る京都の漁業-宮津湾のナマコ漁を中心に-」という2つの基調講演があり、社会人・研究者の視点での話がありました。
午後のグループワークでは、6グループに分かれ、オンラインホワイトボード「Miro」を活用して、2030年の社会のあり方と自分の姿を想定し、2030年に向けて今の自分に必要なことについて議論しました。各グループには、ファシリテーター、助言者、学生TAが加わり、スムーズな運営に努めました。
グループワークへの参加者は各校3人と限定していましたので、それ以外の高校生や高校教員に対し、以下のとおり特別講演を行いました。普段なかなか聴くことができない研究内容でとても貴重な時間になったようです。
1.「空から森、そして川への窒素を追いかける:安定同位体比による降水窒素追跡について」
生態学研究センター 教授 木庭啓介
2.「健全な地域発展と地域資源の意味」 地球環境学堂 教授 西前 出
3.「自然科学をスパコンでシミュレーションする -宇宙からウマまで-」
学術情報メディアセンター 准教授 深沢圭一郎
引き続き、各グループワークのテーマに沿った検討状況を発表しました。同じ導入であったにもかかわらず、バラエティーにとんだ発表となりました。
最後は、朝倉 彰フィールド科学教育研究センター長による講評並びに閉会挨拶があり、画面越しの記念撮影で終了しました。